【犬のALPが高い!!】元気なのにアルカリフォスファターゼが高いときには、どうしたらいいの?獣医師が解説します。

実は、このような場合には、獣医師も悩むことがあります。

結論から書きましょう。まず、やるべきことがあります。これは、獣医師側がやるべきことです。

  • ALP(アルカリフォスファターゼ)が上昇しそうな原因をリスト化する。
  • ALP(アルカリフォスファターゼ)アイソザイムを測定し、何由来のALP(アルカリフォスファターゼ)が異常値を示しているかを調べる。
  • コルチゾール由来のALP(アルカリフォスファターゼ)値が高くなっていれば、それに特化した追加検査や様子観察を行う。

以前、犬のALP(アルカリフォスファターゼ)が高くなる原因について記事を書きました。

今回は、ちょっと踏み込んで、ALP(アルカリフォスファターゼ)アイソザイムを測定し、コルチゾール由来のALP(アルカリフォスファターゼ)値が上昇している場合の対処方法です。

コルチゾール由来のALP(アルカリフォスファターゼ)が上昇しているといいうことは、犬が何かしらのストレスを受けている可能性があります。

それを知るためには、正確な白血球百分比が必要です。できれば、フローサイトメトリー法で確認できるのが理想的です。その結果、ストレスパターンというものが現れていないかを確認します。

詳細としては、リンパ球数好酸球数が減少します。

血糖値が高めではないか?飲水量が増えていないか、尿量が増えていないか?さらには、超音波検査(エコー)で副腎が大きくなってはいないかを調べます。

これらは何を見たいかと言いますと、コルチゾール由来のALP(アルカリフォスファターゼ)が上昇しているということは、副腎皮質機能亢進症、いわゆるクッシング症候群の予備群と考えることができます。

治療が必要な副腎皮質機能亢進症なのか、様子を見ていても良いのか、という判断をしている訳です。

このような犬が、将来的に必ず治療を必要とするかと言いますと、おそらくは、治療が必要になることは少ないと思います。

一度、まとめておきますと、ALP(アルカリフォスファターゼ)が高く、元気で、どこにも病気らしいところがなく、ALP(アルカリフォスファターゼ)アイソザイムで高いALP(アルカリフォスファターゼ)がコルチゾール由来であれば、それは副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)の予備群だと考えることができます。

そして、それが治療が必要であれば始めるし、まだ治療が必要ではなければ様子を見ていくということです。そして、治療が必要になるようならば、手遅れにならないようにするということです。

1 COMMENT

現在コメントは受け付けておりません。