【犬の逆くしゃみ】って何?獣医師が解説します。

逆くしゃみの原因

逆くしゃみの正確な原因は、現在のところわかっていません。

逆くしゃみを引き起こす可能性があるのは、鼻、副鼻腔、または咽頭への刺激です。そして、この刺激には、鼻ダニ、分泌物、種子、花粉、草などの異物、アレルギー、煙、臭気、腫瘤または細長い軟口蓋が含まれます。一般的に、鼻腔が狭い(鼻が長い)犬は、逆くしゃみが起こりやすくなっています。

逆くしゃみの診断は、病歴や症状を見て行います。そこでは、似たような症状を起こす病気を除外する必要があります。その除外すべき疾患とは、上部気道感染症、気管虚脱、鼻の腫瘍やポリープ、鼻腔や口腔内の異物、そしてイビキの原因や、そのほかの上部呼吸器疾患の原因です。

動物病院では、血液検査、アレルギー検査、またはレントゲン検査を行って、逆くしゃみと似たような症状を引き起こす可能性のある他の病気を除外することがあります。

逆くしゃみの治療

ほとんどの逆くしゃみは、治療の必要がありません。

逆くしゃみをできるだけ早めに治めるには、犬の首をそっと撫でて落ち着かせたり、鼻に息を吹きかけてみたりしてください。

治療が必要な場合とは、逆くしゃみの原因が、鼻ダニやアレルギーの場合です。鼻ダニが原因であれば、駆虫薬を飲ませることになります。現在では、1回飲ませると、効果が3か月持続するものがあり、鼻ダニには有効です。そして、アレルギー検査でアレルゲンが特定された場合、免疫療法を行うか、抗炎症薬、抗ヒスタミン薬、または抗プラスミン剤を使うことがあります。

さて、原因と治療の話を書いた後ですが、逆くしゃみとは、どのようなものでしょうか?

くしゃみが、急速に空気を鼻から押し出すのに対して、逆くしゃみは、急速に鼻に空気を引き込みます。

私の診察する犬のご家族の方は、グーグーと言うような、とか、ブウブウと言うようななどと、逆くしゃみの様子を表現されます。もし、あなたの犬が逆くしゃみかも知れない症状をみせるようでしたら、その症状の動画を撮影してから動物病院に向かうようにしてください。その動画は、診断に迫る獣医師にとって、とても重要な情報になるはずです。