第三眼瞼腺突出、チェリーアイとは
目にさくらんぼがくっついているように見えます。これは第三眼瞼腺と呼ばれる組織です。もともとは、下まぶたに隠れて見えないものなのですが、下まぶたに固定するものが遺伝的に欠けているために飛び出してしまっています。
第三眼瞼腺は、眼窩骨周囲と結合組織帯でくっついています。つまりは、目のくぼみを作っている骨にくっついているはずなのです。それが遺伝的に欠損しています。
第三眼瞼腺突出、チェリーアイの問題は何?
何が悪いのか?放置はいけないのか?
突出を放置すると、第三眼瞼にある軟骨が変形して、戻ることがなくなります。そして、第三眼瞼腺自体が炎症を起こします。炎症の結果、充血したり、涙が増えたりします。
どうやって治療するの?
治療は基本的に手術ですが、突出したり、元に戻ったりを繰り返す場合には、突出している時間や頻度で手術の適応を決定することがあります。つまりは、ずっと突出しっぱなしではなければ、手術をするかどうかは検討が必要になるということです。
綿棒で押し込むだけで、収まることもあります。
ほとんどが1歳未満で発症します。そして、これが見られたら、基本的には早めに手術をすることが推奨されます。しかし、生後数か月の若齢で発症した場合には、全身麻酔がある程度安全に行える月齢まで待ってから手術をすることもあります。
それまでは点眼薬を使って様子を見ることもあります。
第三眼瞼腺突出、チェリーアイの手術
ポケット法と呼ばれる方法が一般的です。しかし、第三眼瞼腺突出の手術は再発も多く見られます。どうぶつ眼科の専門獣医師でも、第三眼瞼腺突出のブルドッグでは、3回も再手術が必要になることがあるというインフォームドコンセントを行うこともあるようです。
私も第三眼瞼腺突出の手術をします。かつては、第三眼瞼腺の切除を行なっていましたが、ときに高齢になってから涙が少なくなる乾性角膜炎(KCS)になるとも言われるために、今では第三眼瞼腺を切り取るのではなく、ポケット法で納めるようにしています。
第三眼瞼腺突出、チェリーアイになりやすい犬種
ブルドッグ、フレンチ・ブルドッグ、コッカー・スパニエル、ビーグル、ペキニーズ、ボストン・テリア、シー・ズー
はじめは片側に見られるこがありますが、最終的には両目に見られるようになることが多いですね。