猫がオシッコしないという問い合わせで考えること。大切なことは、少しでも出ているのか、全く出ていないのかです。何れにしても、動物病院での診察を受けてくださいね。
まず、食欲があり、水も飲めているようであれば、多くの場合、時間的な余裕があります。
- 本当は出ていて、ただ、いつものトイレでしていないので、気づけていない
- いつもの時間にしていないだけで、もう少し待てばする
- 膀胱炎の症状で頻尿、排尿困難で、わずかながらだけれどもしている
- 尿道閉塞になっていて、全く出ていない
猫がオシッコをしないのは、重篤な病気の可能性があり、大変危険です。しかし、意外とそうではないことも多いので、その見極めの参考になればと思います。
まず、重篤な状態にある猫のほとんどは、水を飲むことも食事を取ることもしないのが普通です。そして、上の写真のようにのんびりとはしていません。
リストのトップにある、本当は出ていて、ただ、いつものトイレでしていないので、気づけていないとは、どのようなことがあるのでしょうか。
まず、猫が粗相をすることは少ないことで、あまり目にすることはありませんが、膀胱炎で頻尿であれば、トイレ以外ですることもあります。そして、自分で舐めてしまって、どこにもオシッコを見つけることができないこともあります。トイレ以外でするというのは、例えば、お風呂場や台所のマットや布団、絨毯など、硬いフロア以外のふわふわしたところですと、猫にとってはトイレとの区別は難しく、トイレ同様にそこで用を足すことがあります。しかも、このような場合には、量が少ないので、臭いがするけれども、濡れているところを見つけることができないこともあります。
この状態でも、動物病院に行かれるべきで、膀胱炎の可能性があります。
次の膀胱炎の症状で頻尿、排尿困難で、わずかながらだけれどもしているというのは、猫砂やトイレによっては、1滴ほどの尿を見つけづらいことがあります。このような場合、猫はトイレに頻繁に行ったり出たりするかも知れません。そして、トイレの滞在時間が長い可能性があります。この場合には、まだ食欲はあることが多いですね。
そして、最も警戒すべきは、尿道閉塞になっていて、全く出ていないときです。尿道閉塞とは、猫の場合、まずオス猫ですが、出口の先端に何かが詰まっていることがほとんどです。このような場合、急いで動物病院に向かってください。ときには、命に関わる重篤な状態になっていることもあります。
この場合には、入院管理を必要とする治療や手術が必要なことがあります。