【犬の肺水腫】心臓に病気があっても、なくても起こります。獣医師が解説します。

肺水腫が起こったときに、見られる症状

咳、頻呼吸(呼吸の数が増える)、呼吸困難、ときに血液が混ざった泡状のものが鼻や口から出てきたら、おそらく犬の状態は大変に悪くなっており、急死する可能性が高くなります。このような場合には、青白い舌を出しながら、ゼイゼイというような速い呼吸で、落ち着かないことがほとんどです。

肺水腫は、急性の変化で、治療が行われないと死に至ることがほとんどです。そして、治療にも反応しないほど重篤なこともあります。また、数か月に渡って肺水腫が改善しないなどというはありません。急性のものですので、数か月に渡って呼吸症状が続いているというのは、肺水腫ではないと結論づけるのが妥当です。

まずは、正しく診断がなされることが必要ですので、すぐに動物病院に行ってください。できるだけ早くに行って診察を受けてもらうのが良いでしょう。

治るのか?

肺水腫の重症度によって、治らないこともありますし、どうにか治ることもあります。できるだけ積極的な治療が必要ですので、ある程度は獣医師に任せる必要があります。肺水腫が治らないとは、そのまま死に至るということです。そして、治ったとしても、その場で完治はありませんので、ある程度の入院が必要で、とにかく安静にすべきです。その後に、退院や通院だとしても、お薬による継続的な治療が必要です。

入院中は、酸素を使った治療が必要です。

肺水腫を起こすもの(原因)

低アルブミン血症(タンパク質漏出性腎症、糸球体腎症、肝疾患、過剰な点滴、飢餓)

心原性(心臓の病気で起こる肺水腫)

腫瘍(リンパ管の閉塞)

毒物の吸引(煙、胃酸、酸素中毒)

感電

外傷(肺、全身性)

敗血症

膵炎

尿毒症

播種性血管内凝固

炎症

血栓塞栓症

気道閉塞

溺水

神経原性浮腫(痙攣、頭部外傷)

肺水腫の概要は、こちらのリンクもご覧ください。↓