急性胃炎
犬の急性胃炎では、突然の嘔吐を伴ういろいろな症状がみられます。胃の粘膜が傷ついたり、炎症を起こしています。
犬の急性胃炎の原因
急性胃炎の原因になるのは、食べ過ぎ、食物不耐性、異物、薬物、毒物、全身性疾患、寄生虫、細菌などです。
- 原因は、病歴を飼い主から聞いて推測します。
- 治療はそれぞれの症状に向けた対症療法や、支持的療法を行います。
- 薬物中毒や異物を飲み込んでしまっている場合には、血液を吐くことがあります。また、胃の中の出血の量によっては、真っ黒いべったりとした便が出ることがあります。また、下痢や全身に影響する症状がみられることがあります。
犬の急性胃炎では、どのような症状がみられるの?
突然の嘔吐、血液を吐く、真っ黒いべったりとした便が見られることがあります。その他には、全身的な異常がみられることがあります。
予後、急性胃炎は最終的にはどうなるの?
ここで、結論から書きますと、多くの急性胃炎は、完治します。
犬の急性胃炎の治療
合併症を伴わない急性胃炎は、対症療法と支持的療法を行います。
輸液療法
治療には、輸液療法が実施されます。輸液療法とは、体に吸収されやすいように成分を調整したリンゲル液などを使います。輸液とは、どうぶつの体内にこのリンゲル液を入れるわけですが、投与ルートがいくつかあります。
経口輸液:輸液剤を飲ませます。通常は、嘔吐をしている犬に飲み物を与えることは難しいことがありますが、少量ずつ回数を分けて与えれば可能です。
皮下輸液:最も使われる輸液方法です。軽度の脱水がある時に動物病院の外来診察で使われる方法です。
静脈輸液:中程度から重度の脱水があるときには、皮下輸液では脱水補正が難しいことがありますので、その場合には静脈ルートで点滴を行います。
食事制限
急性の嘔吐が見られた場合には、嘔吐が止まってから24時間してから食事を再開するようにします。食事の再開には、少量ずつ与えるようにします。
私がよくオススメする、急性胃炎の食事再開に使ってもらうのは、ヒルズ社のi/d シチュー缶です。他には、茹でた鶏肉、ご飯です。いつもの食事に戻すのは、5日から1週間ほどの時間をかけます。
胃粘膜保護
胃粘膜保護は、抗生物質よりも安全で有効です。
ほとんどの急性胃炎は、あまり時間をかけずに治りますが、ときに合併症を伴って重篤かするものもあります。対症療法に対する反応がよくない場合には、検査を行なって治療レベルを上げる必要があります。