歴史的な瞬間
水天宮が新しくなりました。
耐震強化と噂されていました。
大きくなって、近代的というか伝統的と言うか。
少し特をしたことがあります。
よく神社の鳥居が青緑色に錆びているのを見ます。
この鳥居もおそらくはもとはピカピカの銅の輝きを放っていたと思われますが、歴史ある神社の鳥居が建立からどれくらい輝いていて、どれくらいから緑青に覆われ始めるのかはさっぱりわかりませんでした。
あまり興味もなかったのですが。
今回水天宮の光り輝く銅色の鳥居の取り付け直後を見ました。
周りを遮蔽するものがなければ、きっと遠くからも目を引いただろうと思われる見事な色でした。
これもいつかは錆てしまうのだろうと。
歴史のずっと先で、あの頃は、と思うのかもしれないと眺めていました。
ところが、その時は想像よりもずっとずっと早くに訪れました。
おそらく1週間、2週間という早さです。
4月のはじめに一般参拝客も境内への立ち入りが許されて、まだ1月も経ちませんが、すでに光輝く姿はありません。
まるで桜のように。
あの遠くまで届きそうな輝きは、むしろ桜が散るよりも早くに緑青へと向かいました。
取り付けられた頃の輝きはこの建物の歴史からすると一瞬よりも短い時間だったのかも知れません。
意識して輝く姿を目に焼き付けた者としては、大変に貴重な物を見せてもらった。そう思っています。
当院の入り口からは、満開の桜越しに水天宮が見えていましたが、今は生命の躍動を感じさせられる新緑越しに見ています。
そう言えば、当院はこの桜の時期に9周年を迎えました。
感謝しかありません。
皆様の期待に応えられますように努力します。