目がぐるぐるします。ー犬の中耳炎ー
いきなりの雷雨⚡️になりなしたね。
外にいらして傘をお持ちではない方も多いのでないでしょうか。
すぐに止むといいですねどね。
休診日にお電話が入りました。
これまで何度も来院されていた小型のワンコの飼い主さんからでした。
目がぐるぐるしているんです。
すぐに来ていただいて、みてみますと、その時は特別変わった様子はありませんでした。
一応考えられる病気をリストアップして、その中から検査と治療を行いました。
帰られてからほどなくして、またお電話がありました。
また目がぐるぐるしています。
お話を詳しく聞きますと、目がカチカチと左右に振れているようです。
眼振と呼ばれる症状です。
先ほどの治療でも薬が効けば改善は期待できましたから、少し様子をみてもらうことにしました。
翌日にも来院していただきました。
そこではまた眼振と軽度の斜頸がみられました。
首が少し右に傾いています。
前庭と呼ばれる脳の領域の問題が考えられました。
飼い主さんはとても明るい方で、よく笑う方ですが、さすがにこのときは笑顔はあっても笑いはありませんでした。
MRIの検索で頭の中を詳しく調べてみることになりました。
飼い主さんにお話したのは、あまり心配のない病気から、なかり厄介な病気までいろいろです。
その中には中耳炎もあれば脳腫瘍もあります。
MRIの検査結果が出ました。
中耳炎です。
中耳炎は耳という字が付きますから、耳の病気と思われがちですが、どちらかと言いますと鼻の病気です。例えば飛行機に乗っている時などに耳の奥の方にある鼓膜に耳側から圧がかかりますと、耳が痛くなることがあります。
鼻をつまんで鼻側から圧を加えることで解消されたりします。
鼓膜は耳側と鼻側の通り道を隔てるようにあります。
その鼓膜の鼻側、耳からみますと、鼓膜の向こう側で起こるのが中耳炎です。
これを耳側から覗いて知ることは難しいことがあります。
MRI検査では、鼓膜の向こう側の鼓室というところに液体が多く貯まっていることがわかりました。
これが中耳炎で起こっていることで、そのために眼振や斜頸がみられているというのが検査わかったことです。
飼い主さんはほっとされていました。
腫瘍も覚悟されいましたし、脳炎も心配されていました。
病気の中では最もと言っても良い、よい結果だったと思います。
まだ食欲がありませんから、点滴をしたり、お薬を注射したりして治療を行いました。
飼い主さんは次第に笑顔が増えて、今日はまた少しだけ大きめに笑っていらっしゃいました。
斜頸はまだ少し残りますが、眼振はなくなりました。
食欲もだんだんと戻っていますから、お薬も注射ではなくて錠剤になりました。
今日はお散歩での注意点をお話ししました。
熱中症対策です。
まだあまり長いお散歩はできませんが、だんだんと距離や時間を長く取れるようになっているようです。
だんだんと笑顔になられる飼い主さんがとても印象的で、ワンコの回復よりも少し早いペースで笑顔が戻られた感じでした。
もう少し。
しっかりとよくなりますよ。