男の子、排便が辛そうです。- 会陰ヘルニア –
新緑の季節になりましたね。
まだまだ朝晩は気温が下がりますが、日中は薄着でも外に出られるようになりました。
先日、狂犬病予防の集合注射に参加してきました。
桜の花散る公園でおおよそ1時間の予防注射を行ってきました。
そして当院でも狂犬病予防、フィラリア症予防、ノミ・ダニ予防と予防の季節を迎えています。
平日、土日を含めて、混雑する時間がありますので、参考にしていただけますよう最近の傾向をお伝えいたします。
朝
9時から10時 やや混雑します
10時から11時 比較的待ち時間が短いです
11時から12時 特に混雑します
夕方
5時から6時 やや混雑します
6時から7時 比較的待ち時間が短いです
7時から8時 特に混雑します
排便痛がある男の子が来院しました。
飼主さんのお話によりますと、排泄をしようとするとお尻の横が膨らんで辛そうにするのだそうです。
元気もあまりなく、動かない時間が長くなったとのことでした。
身体検査で会陰ヘルニアと呼ばれるものだとわかりました。
脱腸を呼ばれたりもしますでしょうか。
肛門の横のいわゆるお尻の筋肉が薄くなり、筋肉と筋肉の間が力んだときのお腹の力に負けてしまって裂けてしまうものです。
言葉でうまく説明をするのは困難なのですが、見た目では肛門の横が膨らんで見えるだけです。
特徴は排便痛や排便困難です。
その他の時間は結構元気なことが多いものです。
この病気の場合は手術しか治療方法がありません。
できるだけ早くに手術をすることにしました。
飼主さんは手術としばらくの安静のための入院を希望されました。
お家でみるより安心だから。
そのようにお話され、手術をすることにしました。
薄くなった筋肉によって起こるものですので、手術をしてもまた繰り返してしまうことも多くあります。
できるだけ1回目の手術だけにしてあげられたらという想いで慎重に行います。
いろいろな手術方法が報告されているなかで、僕はほとんど1つの方法だけで手術を行っています。
これまでにおこなってきた子達は幸いなことに再発はしていません。
この方法はある程度安定した効果があると考えています。
今回も同様にその方法で手術を行いました。
この病気は特に男の子に多く、去勢手術をしていない子に多いと言われますが、去勢手術との関係はまだはっきりとわかってはいいません。
しかしながら、男の子特有の動きや活発さ、そして前立腺の肥大などでこの脱腸(会陰ヘルニア)が悪化することもありますから、同時に去勢手術をするようにしています。
手術は無事に終わり、麻酔の覚めも良好でした。
ワンちゃんはとてもおりこうさんで、飼主さんも大変喜んでくださいました。
抜糸のときにお受けしたトリミングが大変に好評で、今日は2回目のトリミングにいらっしゃいました。
元気になって、お気に入りのカットで、外をお散歩するのが楽しいようです。
もう少しすると朝晩でも心地よい気温になり、さらにお散歩が楽しめる時期になりますね。
いつもあまり感情を外に出さないワンちゃんですが、飼主さんは毎回笑顔で来院されるのが印象的です