日本橋動物病院だより

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仔猫の救出

涼しくなってきました。暑さが戻ることがあるのでしょうか。このまま秋に向かいそうな風が吹いていますね。

昨日の出来事です。

仔猫の救出の依頼で電話があありました。

朝からネコの鳴き声がするのだけれども、どこからするのかわからなかったとのことです。気づくと玄関のすぐ外から。

お話を伺いますと、運んでもらうために玄関に出されていた洗濯機がありまして、その排水ホースの取り付け口からでした。

そのホースの取り付け口にはそのときホースはありません。ホースを取り付ける部分が穴になっていて、そこに頭を突っ込んだ仔猫がいました。

手のひらにどうにか乗るくらいの大きさの仔猫が、頭だけをその穴に突っ込んで、首から下を必死に動かして出ようと試みていますが、出られずに鳴き続けているようでした。

見つけた方はそのお家の方ですが、ネコちゃんはどこのネコちゃんかは不明です。おそらくは飼い主のいない外ネコちゃんのようです。

遠巻きにお母さんネコが心配そうに見ています。お家の方も、頭だけを突っ込んでいる子を見て、その子が懸命に出ようと試みても出られないのに、無理に引っ張ってケガをさせてしまうのではないかととても心配されていました。

首の後ろを掴んで、グイグイと引っ張るとすぐに抜けました。

15秒ほどのできごとでした。

あっけなく救出劇は終わりました。

今回は仔猫の治療ではなくて救出ということで、獣医師の僕に何かできることはあるのだろうかと不安もありました。ここでは難産の介助の要領でグイグイとある程度思い切ってやりました。

その後この仔猫はすぐ隣のマンションの入口に逃げ込んでしまいましたが、ニャーニャーと鳴き続けていましたから、お母さんネコがすぐに仔猫のそばに駆け寄って行きました。

すると次に僕達の前に現れたのは、母ネコが仔猫をくわえて日頃の住み家に運ぶ姿でした。

夜中の12時近く。

ほっとしたあたりで日付けが変わりました。