次の日曜日は、
今年は「秋」があったのでしょうか。
夏が終わると、急速に冬に向かった気がします。
次の日曜日、11月11日は午前中だけ院長がおりません。
午前中だけは代わりの獣医師が担当させていただきます。
午後の診療は通常どおりです。
外科のセミナーに参加して参ります。
ご迷惑をおかけいたします。
今回もそうなのですが、セミナーに参加するのは目的の他に、いろいろな思い入れがあることがほとんどです。
先に参加しましたアメリカでのセミナーもそうです。
一つのエピソードがあります。
数年前の冬に足を痛めた大型のワンコがいました。
ちょうど僕がオーストラリアのセミナーに行っているときでした。
5日間ほど病院を離れましたが、そのときに来院されました。
代わりの獣医師が診療を担当し、オーストラリアの僕に連絡をくれました。
前十字靱帯を傷めているというのが診断でした。
前十字靱帯の損傷は特に大型犬ではみますが、小型犬では大型犬ほど頻繁に見ることはありません。また小型犬では痛みを取るだけの治療で治ることもあります。大きな手術が必要ないことが多いのです。
しかし、今回は大型犬ですし運動量もありますから、小型犬のような方法では治すことはできないと考えました。
すぐにこのような膝の治療を行っているどうぶつ病院を紹介することにしました。
手術が必要だと考え方らですが、飼い主さんは「先生のことろではできないの?」と聞かれました。
特別な器械と特別な器具、そして特別な技術が必要な手術です。
うちではまだ準備がありませんでした。
整形外科も腹部外科も神経外科も眼科手術も循環器の手術もというすべての手術ができるように準備をすることは一般の動物病院では現実的なことではありません。
おそらくは大学病院でも難しいことかも知れません。
しかしながら、これまで当院をご利用なのに、突然他のどうぶつ病院に行ってくださいというのは、飼い主さんがどれほどご心配なさるかもかんがえなければなりません。
特別な設備があり、手術の数も多いので、僕としては安心していただけると考えましたが、必ずしもそうではありませんでした。
おそらくは飼い主さんのご期待も大きかったと思います。
それからです。
年間にどれくらい大型犬の前十字靱帯の手術をするかはわかりませんが、その手術の用意をしておこうと考えるようになったのは。
前十字靱帯の損傷は、片足を痛めたら2年以内にもう片足も痛める可能性が40%あるとされます。
飼い主さんは、次に手術が必要になったら、先生にお願いしますと言われました。
僕もわかりましたと約束をしましたし、手術の必要がなければよいと願う一方で、もし必要なら当院でできるようにしようと考えました。
それが日本やアメリカでトレーニングに参加したり、設備の充実をはかるようになった理由です。
神経外科にもそのような思い入れがあり、一人で出かけていって、海外の先生達の中で汗をかいています。
備えあれば憂いなしというのは簡単にはいかないものですが、努力する価値は大いにあると考えています。