日本橋動物病院だより

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人工股関節 -THR-

7月にうちはまだ寒いくらいの日もありましたから心配しましたが、まさに夏になりましたね。
昨日の休診日にセミナーに行ってきました。
夜8時30分から始まるセミナーで、終わったのは予定時間よりも少し遅い11時頃。
久しぶりに終電が気になるくらいの時間でした。
昨日のテーマは人工股関節のことです。
犬にも猫にも股関節の異常は起こります。
ときに手術が必要なことがあります。
人工股関節はそのときの選択の一つです。
しかしながらこの手術ができる獣医師は極端に少ないのが現状です。
日本国内だけではなくて、海外を見ましても、外科の獣医師でもこれを行うことができる獣医師は多くはないようです。
今はこの人工股関節についてはまだまだ未完成品という印象を持っている獣医師が多くいまして、使わない方がよいとか、あるいは使うべきではないということが言われます。
しかしながら、昨日の講師の先生はおそらくは日本で最も多くの人工股関節の手術をされている方でしたが、その先生がおっしゃるにはかなりの確率でよい結果が見られるとのことでした。
人工股関節を批判する獣医師のほとんどかもしくは全員が実際にはこの手術を行うことができないことや、技術的に獣医師側の問題をあたかも人工股関節その物に問題があるからよい成績が得られなかったと言っていることが多いのだろうとの印象を受けました。
つまりはこの手術がしっかりとできる獣医師が、人工股関節がやはり消極的な選択であると考えていることは少なく、むしろできない獣医師が消極的になっているにすぎないようです。
当院ではまだこの手術の用意はありません。
しかしながら、できるだけ早期に行うことができるように準備をしていきたいと考えています。
これ以外で股関節の問題を解決できる手術がありますが、だからと言って人工股関節ができなくてもよいということにはなりませんし、この手術を行うことができる獣医師はもっと多くてもよいだろうと考えています。
まだまだ、まだまだ、習得するべきことが多くあります。
一日かなり激しく動いた日のしめくくりがこのセミナーでしたが、少しも眠くならずにあっという間に時間が過ぎた。そのような興味深いセミナーでした。
もっと頑張らないといけないと刺激されたよい時間でした。