皮膚炎が治らない
今日はまた一段と寒くなりました。
昨晩と言いますか、今朝と言いますか、日付がかわり2時ごろに病院の外に出てみたのですが、その時は寒いのは当然ですのであまり感じなかったのですが、朝になりますとこれまでとは違う冷え込みを実感しました。
皮膚病が治らないワンちゃんが来院しました。
ある程度お年ですが、それほど高齢犬ではありません。
他のどうぶつ病院で診察を受けていらっしゃったようですが、治療の反応が今ひとつとのことで当院に来院されました。
身体検査で首のところに腫れがありました。
膝の後ろにも。
お腹のエコーをするとお腹の中のリンパ節も腫れていました。
悪性腫瘍(ガン)です。
皮膚病はこの悪性腫瘍とは直接関係はありませんが、間接的には関係がありそうです。
ガンが発生し、免疫力の低下が起こり、皮膚の感染症が治りにくくなり、かゆみが続いている。
そのようなものだと考えました。
皮膚の治療だけに反応しないのは当然と言えば当然で、この腫瘍を治療しなければ皮膚病も治りません。が、なかなか治療が難しい腫瘍です。
飼い主さんは大変にショックを受けていらっしゃいました。
当然のことです。
いろいろとお話をして、今後の治療方針、そして今後だいたいどれくらい一緒に過ごすことができるのかを予想しました。
覚悟を決めて抗がん治療をはじめることになりました。
飼い主さんとはずっとずっと一緒だったワンコです。
これまで飼い主さんにもいろいろと生活環境の変化がおありだったようですが、その間もそばでずっと一緒だったのがこのワンコです。
苦しいときも、楽しいときも同じ時間をともにしてきた訳で、絆で結ばれたパートナーです。
もしかしたらお別れは予想よりも早くなるかも知れません。
しかしながら、覚悟をしながらも期待を込めて側で過ごせますので、予想できないような準備ができない急なお別れにはならなそうです。
まだ治療は始まったばかりですが、ガンはかなり急速に進行している印象があります。
留守番を少なくして、できるだけ一緒に過ごされるとのことでした。
自分がどのような様態なのか、まだ自覚症状が少ないワンちゃんが健気で目頭が熱くなります。
できるだけのことをします。
穏やかに過ごせますように。
春がまた来ますように。