日本橋動物病院だより

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眼窩下膿瘍

年末年始のお休みは12月31日から1月3日までです。
12月30日、1月4日は通常どおり朝9時からの診療受付です。
今日と明日は雨のようですね。
それまできれいな青空が気持ちよかったのですが、一気に冬を感じさせる日になりました。
そして水天宮前には年末年始恒例の提灯が並びましたよ。
最近長期にお薬を飲んでいる子達に麻酔をかけて処置をすることがありました。
長期にわたりお薬が必要な子は、それだけ体調が変化しやすく、全身麻酔のリスクは高めだと考えます。
特別に慎重な麻酔管理が求められます。
1匹目のワンちゃんは鼻の横に小さなかさぶたがある子です。
ただのケガのように見えていましたが、レントゲンで調べてみますと歯の根っこに化膿がみられました。
眼窩下膿瘍と呼ばれるものがありますが、この子の場合は少し様子が違いました。
通常眼窩下膿瘍と呼ばれるものはほっぺたの目の下あたりに小さなかさぶたができます。そしてこれは第四前臼歯と呼ばれる奥歯の大きな歯の根っこに起こる化膿が原因のことがほとんどです。
しかしこの子の場合は原因は犬歯でした。
犬歯がすり減っていて、歯の髄が見えていました。
露髄とよばれるものです。
特にダックスちゃんやコーギーちゃんに多いのですが、物をガリガリと噛む子には歯が欠けたりすり減ったりすることがあります。
この子もそのようでした。
永久歯ですから簡単には抜けません。
歯肉にフラップとよばれる切開を行います。そして歯の根本にある歯槽骨とよばれる薄い骨をラウンドバーと呼ばれる小さなドリルで削ります。さらにエレベーター、抜歯鉗子という道具を使って抜歯をします。歯があった穴をきれいにして薬を注入し、切開した歯肉を細い糸で縫います。
口腔処置を行う場合は他の歯の歯石もきれいに取り除きます。
ポリッシングをして1本1本磨きます。
ほっぺたにできた小さなかさぶたですが、こうしなければまず治りません。
原因が歯にあると考えずに様子を見ましょうとなれば、おそらくは治ることはないでしょう。
はじめに治療方法の説明をしたときは飼い主さんは不思議そうにお話を聞いて下さっていました。
なぜ歯を抜けば治るのですか?当然の質問ですよね。ほっぺたのかさぶたの相談に来られたのですから。
治療をしてから2週間が経ちました。
すっかりとよくなっていました。
もとのかっこいい顔に戻っていましたよ。