クッシング症候群
先日、上野公園を散策しました。
梅雨の間待ちわびていましたので、酷暑でしたがギラギラと照りつける太陽が嬉しい日でした。
ところどろこで路上のパフォーマンスがあり、あれも大道芸と呼ぶのでしょうか、球場では少年達が白球を追いかけていたり、カップルが氷を分け合っていたり。
木漏れ日が熱線のようでしたが、木陰も多くある上野公園はよい散歩道かもしれません。
このような暑い日にはワンちゃんの食欲がなくなることがよくありますが、それでもモリモリと食べて、お水を異常なくらいに飲む子もいます。
そのような子が来院しました。
とにかくお水をよく飲むとのこと。お話を聞きますと、1日に体重1kgあたり100cc以上。
だいたい体重10kgの子で1リットル以上飲む計算です。
これは明らかに異常です。
よく食べることも、もしかすると病気のせいかもしれません。
お腹も丸々としています。
いろいろと検査を行いました。
血液の検査や副腎皮質ホルモンの検査も行いました。
そこで出た診断名は「クッシング症候群」です。
この病気の治療は薬を使った、いわゆる内科治療が中心です。
FDA(アメリカ食品医薬品局)が獣医師向けにこの病気の治療薬の使用法に関するガイドラインを公開しています。
トリロスタンという薬が唯一FDAが認可しているクッシング症候群の治療薬です。
この薬は高価で1錠でランチを食べられるくらいです。
文献的にはその他いくつかの薬の治療方法がありますが、飼い主さんといろいろとお話をした結果、副作用が少ないものを選びたいとのことで、FDAも認可するトリロスタンを使うことになりました。
治療開始2週間くらいでだいたい満足できる結果が得られました。
水を飲む量は治療成果の目安でもありますが、これが減ってきました。
しかしながら、食欲は変わらず旺盛です。
お話を伺いますと、ジャーキーが大好きとのことでした。
好きな物が好きなだけあるようですので、食欲は落ちそうにありません。
お薬を使い始めて1カ月。
ゆっくりとですが、体型がよくなりました。
検査結果も良好です。
次の検査は3カ月後。
さらによくなることを期待しながらの3カ月です。