メジャーケース
動物病院でみる病気の多くはメジャーケースと言われる、一般的な病気です。
原因不明や原因の解明ができないようなめずらしい病気をみることは実は少ないことです。
先日、ネコちゃんが来院しました。
ご飯を食べないとのことで、他の動物病院で1週間ほど入院をしていて、そのまま転院して来られました。
血液検査では肝臓の酵素の値が高いとのことで、肝臓のお薬、そして、ウイルス感染症に使われるインターフェロンの治療を受けながら、改善がみられなかったとのことでした。
しかしながら、原因不明とのことでした。
他の動物病院に入院中から、いろいろとご相談があり、お話を聞いていました。
当院に転院されて来ました。
まずは身体検査から始めました。
あれっ?もしかして
レントゲンを撮って、確認しました。
やっぱりそうです。
便秘です。
身体検査で触診をしているときに、お腹に大きな便の塊を触りました。
しかし、あまりにも大きい塊でしたので、一応レントゲンで確認をしました。
ネコちゃんの便秘の場合、骨盤の骨の変形が原因の場合もあります。
検査では同時にそれも知りたいことでした。
わかったのは重度の便秘ですが、これだけなのかどうか。
また、便秘が原因で食欲がなくなったのか、または、他に食欲がなくなるような原因があって、それで便秘になってしまったのか。
とりあえずは、重度の便秘を解決すべく、治療をはじめました。
当然ながら、便秘以外の病気を調べるために、血液検査や他の検査も同時に進めました。
便秘が治ると、食欲が出てきました。
また、その他の検査では異常がみられません。
原因不明とされたものは重度の便秘でした。
飼い主さんも笑顔でした。
やっぱり難病と考えて深みにはまるよりも、よくある病気を再検討することは、結果診断までの近道のことが多いようです。
また便秘になってしまうかもしれませんので、食事療法のお話をしました。
おそらくは、便秘を血液検査で知ることは困難だと思われます。
今回は軽いものではなく、かなり重度でしたが、それでも、です。
数日かかりましたが、治療の後で食欲がでてきました。
それから1週間後に来院されたときには、すっかり元のとおりでした。
よかったね
ねこちゃん