日本橋動物病院だより

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前十字靱帯 -1of2-

膝は、太ももの骨とスネの骨が合わさるところですが、ここには、この2つの骨をつなぐスジがあります。
ご存じの靱帯です。
この靱帯もいくつかありますが、その中に、前十字靱帯という靱帯があります。
今回のワンちゃんは、この靱帯を痛めてしまいました。
小型犬で、体重が3kgほどしかありません。
この前十字靱帯の損傷、あるいは断裂と呼ばれるものの治療は、保存療法と外科手術があります。
保存療法は、そのまま放置するというものですが、体重が少ない小型のワンちゃんは、これでも治ることがわかっています。
当然ながら、全ての小型犬の前十字靱帯の断裂が保存療法で治るわけではありません。
手術が必要なこともあります。
今回は、経過も長めでしたし、断裂の程度も重かったので、手術で治すことになりました。
お散歩好きのワンちゃんと飼い主さんです。
しかしながら、手術前後でお散歩がこれまでのようにできない日がしばらくあります。
はじめてこの症状を診せて頂いた時には、片足をあげて、ひょこひょこ歩きしかできませんでした。
どうにか手術をすることで、保存療法よりも早くに治ってほしいと考えました。
小さな体ですが、手術を乗り切ることは心配はなさそうです。
あとは予定どおりの手術をするだけです。
きっと、飼い主さんは手術前夜から寝ていらっしゃらないのではないか。
そう思いながら、当日お預かりしました。
努めて明るくお話されているような、そのような印象を持ちました。
当然ですよね。手術ですから。
でも、きっと大丈夫。
-つづく-