胃捻転
すっきりとした晴れの日が少ない夏ですね。
曇りの日が多いので、お散歩の時間を例年よりは気にしなくてもよさそうです。
胃捻転のワンちゃんが来院しましたよ。
お水をガブガブ大量に飲むようになって久しい頃、いつものように大量に飲んだ後から様子がおかしくなったようです。
吐きたそうだけど吐けない。座りたいようだけど、座れない。横になったかと思うと、立ち上がる。
ヒイヒイないて、苦しそう。
そのようなお話でした。
体重が40kgある女の子(のワンちゃん)。
見るからに苦しそうです。
吐きたそうだけど吐けない。
これは大切なキーワードです。
なかなかわからないこともあります。
お腹を触診すると、かなり胃が大きくなっています。
膨満していました。
触診だけでも充分に診断できる所見はありましたが、腸やその他も調べなければなりません。
すぐにレントゲンを撮りました。
胃はガスで膨らんで、かなり大きくなっています。
腸も既にガスが増えてきていました。
一刻も早くに手術が必要です。
とにかく胃捻転の手術は急げば助かることが多いですが、逆に時間が経てば回復困難です。
その時間とは、程度によりますが、12時間も経てば、おそらく助からないと思います。
6時間でもどうにかといった感じでしょう。
レントゲン以外に必要な検査を迅速に進めて、結果が出たところで点滴を始めながら麻酔をかけ、寝てくれたところで、開腹手術です。
胃が真っ赤になってガスと液体で巨大になっています。
切開して圧力を解除し、内容物を吸引します。
シュルシュルと胃は小さくなって血流が戻りました。
当然のことなのですが、こうなると胃は自然にもとの捻転していない位置に戻ります。
次ぎに捻転しないように胃をお腹や肋骨に固定することもありますが、今回はそこまではしませんでした。
ワンちゃんの健康状態などをいろいろと検討した結果、とにかく早くに麻酔から覚めた方がよいだろうと考えました。
少し時間はかかりましたが、ちゃんと覚めてくれました。
ホッとする瞬間です。
これから少しの間、回復が確認できるまで入院です。
しばらくは一緒に寝泊まりになりそうですよ。