日本橋動物病院だより

日本橋動物病院だより

心臓の病気

桜、もうちょっとですね
既にあちらこちらでお花見が始まっているようですね。
心臓の病気について。
心臓の病気は、いろいろなものがあります。
その中には、起こりやすい病気と、稀にしかみない病気があります。
起こりやすい心臓の病気は、大型犬、小型犬で異なります。
発生率が高い病気は、小型のワンちゃんでは、僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)と呼ばれる病気です。
これが他の心臓の病気を比較して、圧倒的に多いものです。
この病気のことを、よくこのように説明しています。
灯油を容器からタンクに移すときに使う赤い頭のシュポシュポするポンプを例にお話しています。
赤いところが心臓だとしますと、心臓は血液を吸い上げて、また全身へと送り出す臓器です。
心臓にも、あのポンプと同様に逆流防止の弁が付いています。
この逆流防止の弁がしっかりと閉じないことによって、入ってきた方へも一部逆流してしまいます。
心臓にはいくつかの弁がありますが、最も大きな力がかかるところにあるのが僧帽弁(そうぼうべん)と呼ばれる逆流防止弁です。
この僧帽弁が閉鎖不全を起こす病気です。
この病気になるといろいろな検査をします。
そして、いろいろな薬を使って、心臓をコントロールします。
しかしながら、心臓ですから、この病気になるといつでも急変の可能性があります。
ここで問題になるのが、いつから病気が始まったのかということです。
この病気は定期検査の聴診で発見されることが最も多いのですが、この段階ではほとんど何も症状がありません。
症状がないばかりか、元気ですし、食欲もいつもと何も変わりません。
もしかすると、初期では獣医師に心臓の病気があると言われても、本当に?と思われるかもしれません。
しかし、ある程度病気が進行しますと、何かしらの変化がでてきます。
元気がなくなったり、食欲がなくなったり、咳がでたり、お散歩中に歩かなくなったりします。
この段階では、多くの場合に治療に反応します。
それでも、異常がわかりにくいために気付かれずに、検査で病気がわかったときには重篤な状態で、治療に反応しないこともあります。
この病気は、予防はあまり有効ではありません。
早めに発見して、効果的な心臓の管理方法を獣医師にきかれることです。
治療をはじめるのは早いほどよいというわけでもありませんので、治療を開始する良いタイミングはかかりつけの獣医さんにお尋ね下さい。
治療をはじめるかは別としまして、早めにこの病気を発見する方法はまずは健康診断の時の聴診です。
レントゲンや超音波(エコー)検査をする前に、聴診は何よりも大切です。
元気にお花見に行けますように