日本橋動物病院だより

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花粉症それぞれ

すっかりと春らしい日になりました。
吹く風まで温かで、心地よいですね。
しかし、このような日には健康上良くない出来事も起こります。
花粉の飛来による鼻炎などです。
以前にこのブログでもご紹介したことがあります衛生仮説によりますと、人のからだにそもそもあった細菌などに対する防御が、生活環境中から細菌が減ったために、細菌ではなく花粉やハウスダストマイトと呼ばれるダニなどへ向かってしまい、それらに過敏になる人が増えているということです。
すなわちアトピー性皮膚炎も花粉アレルギーによる鼻炎も、清潔になりすぎた結果のいわば先進国病と言えると思います。
人の生活環境中に、本来戦うべき細菌が減ったと言うことは、同じ環境に暮らすワンちゃん達にも同様のことが言えます。
花粉によるアレルギー症状は人だけではありません。
スギ花粉によるものは人には鼻炎などを引き起こしますが、ワンちゃんには皮膚炎を引き起こします。
これは、アレルギーに関係する細胞、肥満細胞が、人には呼吸器系に多く存在し、ワンちゃんには皮膚に多く存在するからだとも言われます。
特にこの時期に痒みがひどくなったワンちゃんがいましたら、もしかするとスギ花粉の影響を受けているかもしれません。
やっかいなのは、スギ花粉によって一度アレルギー症状がでると、治ることがないということです。
よくなることはあると思います。
例えば花粉が飛んでいない日や薬を飲んだ時など。
しかし現在のところ、治すための治療方法はありません。
これはワンちゃんにも言えます。
基本的には治らない病気です。
しかしながら症状を軽くすることはできます。
そこも人と同様です。
・・実は僕も花粉症のようです。
数年前から兆しはあったのですが、自ら認めたくありませんでした。
しかし、今年は自覚しました。
あきらかに症状があります。
田舎育ちで、結構生活環境中には細菌などのエンドトキシン(細菌毒素)があったはずなのですが、それでもなる人はなるということなのでしょう。
へんな意地を張らずに、今年は積極的に薬で症状の緩和をはかりたいと考えています。
花粉が飛ぶわずかな期間のことですので、それほど困ることはありませんが、声がかすれたり仕事に支障がありますので。
せっかくの良い天気でも、花粉が飛ぶと、ちょっと雨でも降って花粉を洗い流してくれないかと思ってしまいます。この晴れない症状もきれいに洗い流したいものです