日本橋動物病院だより

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りんご

書店に行くことが大好きで、時間をみつけては足を運びます。
いつも財布にはあまり入っていないのですが、書店で読んでみたい本に出会うと、食事をするお金が残らなくても本を買ってしまいます。
今日出会ったのは、りんご農家の方を書いた本です。
本の帯についているニュートンよりもライト兄弟よりも偉大な奇跡を成し遂げたというのは、大げさではありませんでした。
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偉人が成し遂げたものはりんごの無農薬栽培です。
はじめはえっ?と思ってしまいました。
それがどれほど難しいことなのかどうかもよくわかりませんでした。
それまで誰もなし得なかった、と言うよりは、むしろ、不可能とされていたようですし、驚くべき事に、現在でも専門家の中には不可能だと言っている人もいるようです。
誰にもできないことだから本になるわけですが、まさに偉人ですね。
このように信念を持って、成果がいつあるかわからずに、もしかしたら、成果などないかもしれないのに突き進む。
生活をかなり犠牲にしての試みですので、なかなかできるものではありません。
NHKのプロフェッショナル仕事の流儀という番組が好きなのですが、これで紹介されたことのある方です。
この本も、その番組内では紹介できなかったことも再取材して記したと書かれています。
僕はりんご栽培をしたことはありませんが、それでも充分に感動の話です。
もし他の農薬を使っているりんご農家の方にもお話を聞けたら、さらにこの感動は大きなものになるでしょうね。
NHKには、番組放送の後から、数カ月にもわたる反響があったそうです。
最も多かったのは、「どこでこのりんごを食べることができますか」だったそうです。
奇跡のりんごですから、食べてみたいですよね。
取材を行った、青森県で小さな頃から周りにりんご農家があったという番組担当者は、はじめて食べるりんごだったと言っています。
おそらくはその担当者は、生まれ育った環境から想像しますと、一般の方々よりもりんごを食べる機会が多かったと思われますが、その人にりんごとは別の果実と言わせるほどの物。
ちなみに、この方の作られるリンゴは白金台のフレンチレストランでもいただくことができるそうです。
残念ながら予約は半年先までいっぱいらしいですが。
やっぱり食事よりも本の方を楽しもうと、積極的なあきらめが早くできました
・・・でも気になりますね。(あきらめきれていない)