胃の中の異物
寒い中にも温かな陽光が降り注いでいて、部屋の中から眺めているとのんびりとした気持ちになります。
外に出ると、いきなり現実に引き戻されますが。
今日、内視鏡が捕まえてきたのは胃の中の異物です。
レントゲンでは異物そのものは見えませんが、異物があることは確認されました。
まずは飲み込んだ物が丸い形で表面が滑らかなものだったので、吐かせるために注射をしました。
しかしながら、吐いたのは胃液だけ。
肝心の異物は吐いてくれませんでした。
実は飲み込んでから2週間ほど経っていて、その間ずっと胃の中にありました。
これは、腸の方へ流れても行かないし、吐き戻しも困難であることを意味します。
一応吐いてくれればと考えてやってみましたが無理でした。
次は内視鏡の出番です。
食事を抜いて来院していただきましたので、胃の中は空っぽで、大変に処置がしやすかったです。
しかしながら異物が弾力を失っており、内視鏡でつかんでも、すぐにちぎれてしまいます。
2週間も胃の中にありましたらね。
次に特別な道具(バスケット鉗子)を内視鏡につけて試したところ、幸運にもつかみ取ることができました。
内視鏡が捕まえてきた物は、バドミントンのシャトルの頭の部分。
ふやけてました。
これで手術にならずに済みましたよ。
実は今日は、異物を飲み込んだという方が3件ありました。
幸いにも、お一人は心配ないと判断し検査だけで済みました。
もう一人は、明日手術の予約をいただいていた方でしたので、手術の時に念のために内視鏡検査をする予定です。
それにしても、内視鏡は優れた道具です。
万能ではありませんが、手術をすることなく異物を除去できますからね。
本当によかったよかった。
実はこのワンちゃん、今朝の6時30分の来院でした。
6時ごろには病院で待っていたのですが、この時間ってまだ日の出の前なんですね。
ちなみに今日の東京の日の出は6時50分。
このワンちゃんは手術をまぬがれました。
早起きはやはり得なのでしょうか。