日本橋動物病院だより

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歯科処置

12月5日に犬猫用歯磨きペーストをご紹介してから、歯磨きや歯石除去についてお問い合わせが増えてきました。
皆さん、ご心配されていたんですね。
「歯は大丈夫?」と気にされています。
犬猫ちゃんの歯磨きの方法をご紹介いたします。
はじめから歯磨きに協力的な子は少ないですので、ゆっくりと日数をかけて慣らしてあげてください。
毎日のことですので、嫌がらない程度に進めてみてくださいね。
1 まずは口を閉じることから始めます。
  (犬猫ちゃんの歯磨きは基本的には口を閉じて唇をめくって行います。)
  口のまわり(マズル)を軽くつかんで、優しく口を閉じてください。
  声をかけてあげたり、閉じた後でほめてあげたりしてくださいね。
2 優しく口を閉じたままで、唇をそっとめくって、歯をみてみます。
  前歯をみて、その後唇を後ろに引っ張って奥歯をみます。
  いやがるようでしたら、すぐに止めてください。
  いやがらない程度で進めていくことが大切です。
上のことをあまり嫌がらずにできるようになったら、次へ進みます。
これだけでも何日か必要なこともありますよ。
3 次からが歯磨きです。
  最初は水やぬるま湯をつけたガーゼを飼い主さんの指に巻き、軽く前歯の表面を磨きます。
  慣れてきたら奥歯も行います。
  このときも、犬猫ちゃんの口をそっと閉じて、優しく唇をめくって磨きます。
はじめは歯の外側(ほっぺた側)だけを磨いてあげてください。
慣れてきましたら、口の内側も磨きますが、歯石が付きやすいのは外側です。
4 ガーゼで磨くことができるようになりましたら、次は歯ブラシをつかって磨きます。
  歯ブラシもガーゼと同じように、まずは前歯からはじめてください。
  歯ブラシを嫌がる子も多いです。
  嫌がったらガーゼで数日慣らしてから、再度歯ブラシで挑戦してみてください。
  歯磨きをするところは、特に歯と歯ぐきの境界です。ここによく歯石が付きます。
  優しく優しく行ってください。
  前歯ができるようになりましたら、次は奥歯をブラッシングしてください。
5 さらに慣れたら内側も磨きますが、無理しないでくださいね。
  外側だけでもかなり効果的ですから。
大切なことは、嫌がらずに毎日続けられることです。
嫌がったら、その日は終わりにして、また次の日試してみてください。
歯ブラシは、犬猫ちゃん用のものでも、人のお子様用でも結構です。
犬猫ちゃん用が必要なときには、当院でもお取り扱いがあります。
歯磨きペーストについては、好みの味のものを選んでください。
おすすめはモルト味。好みがありますので、選んであげてくださいね。
歯磨きペーストを使わなくても、水と歯ブラシだけでも結構ですよ。
一度歯石が付いてしまったら、動物病院で歯科処置が必要になることが多いです。
歯石の付き具合で歯科処置が必要となったら、予約をいただいて歯科処置を行います。
(歯科処置には、鎮静や麻酔が必要です。)
超音波スケーラーと呼ばれる器械を使って、歯垢や歯石などを取り除きます。
その後でポリッシングブラシやラバーカップを使って歯の表面を磨きます。
重い歯周病があると、さらに処置が必要なことがあります。
是非歯磨きトレーニングをお試し下さいね。