日本橋動物病院だより

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百聞は一見にしかず?

いつも何かしらの本が鞄に入っていますが、今読んでいるのは「プリオン説はほんとうか?」という本です。
BSE(牛海面状脳症:狂牛病)の病原体とされる異常型プリオンタンパクを発見したスタンリー・プルシナーは1997年にノーベル賞を受賞しました。このプリオン説に反論する本です。
科学者らしく、理論的に客観的事実が並べられていきます。
思い込みは怖いです。
どんな真実も見えなくしますし、逆に真実から遠ざかって行くにも関わらず、真実に近づいていると錯覚してしまいます。
そんなときに大切なのが客観的事実だと思います。
誰が見てもそう思える事実。
自分だけが本当と思っていても、他人が見たら本当ではないもの。
この別は重要だと考えます。
この本はとにかくおもしろくて一気に読んでしまいました。
そこで思うことは、百聞は一見にしかずという言葉です。
たしかに一見したという事実は確かなことでしょうが、客観的にどうなのかの検証も大切です。
自分の目で確かめて、そこで止まらずにさらにはそれを検証する。
科学の面白さに触れた出来事でした。
獣医学は自然科学と呼ばれる分野に入ります。
やはり思い込みで突き進むことは危険です。
いろいろな検査結果を自分の目で確かめても、さらにはそれを疑ってみることが多々あります。
多くの場合は最初の「何となく」思ったことが結局は正しかったということがよくあります。
今年、日本人でノーベル賞受賞者が多くでました。
大変に嬉しいニュースです。
授賞式に向かう受賞者がステキでした。