「街たんけん」
小学生の「街たんけん」で、当院もその探検場所として選ばれました。
日本橋小学校の児童さんが来てくれました。
まず時間どおりに来院。
挨拶の後で、「質問をはじめます。」と、少し緊張気味でした。
そうですよね、まだ小学2年生ですし初対面ですから。
「どうして獣医師になろうと思いましたか?」
これが最初の質問でした。
どのように答えようかと考えてしまいました。
ときに飼い主様方から、世間話の流れで、このような話になることがあります。
僕が獣医師を意識したのは小学生の3年生のときに、はじめて将来なりたい職業は?という課題で、何にしようかと考えているときでした。その後、いろいろな場面で、この初心は影響してきました。
田舎で、いろいろな動物にかこまれて育ちました。
まず小さなころに撮られた写真によく登場するのが猫です。
とにかく猫はたくさん登場し、ずっと猫と一緒でした。
そんななかでもさらに猫を拾って帰ったこともありました。
黒猫のミーは、拾った当初は今思えば猫ウイルス性鼻気管炎でしたが、薬でよくなり、汚れていた眼がすっかりよくなってからは、病気をすることがなくなりました。
小学2年生のときに、知り合いの大工さんにもらったプードルを飼い始めてからが、犬と出会いでした。もともとレオという名前でしたので、うちでも当然レオ。妹をなぜかボスと決めて、いつでも守っていました。
今思い出しましたが、小学1年生のときに小学校で増えすぎたウサギをくじ引きでもらえることになり、白い小さなウサギをもらいました。モモはキャベツが好きなウサギで、庭につくったウサギ小屋に穴を掘ってよく脱走していました。
庭ではセキセイインコの小屋があり、1メートルほどの止まり木にずらーっとセキセイインコが留まっていました。巣箱ではよく卵や雛が見られました。
ホロホロ鳥というめずらしい家禽もいましたし、鶏がいた時もありました。
雄鳥は攻撃性があり、よく飛びながらアタックされていて、怖い存在でした。
高校生のとき、寮生活をしていましたが、暮れの帰省で実家にいたときに、母親の誕生日に父親がプレゼントしたのがパグのプーでした。ちょうど母方の祖母が病気で入院し、辛い思いをしていた母親に対して父親が考えたプレゼントでした。そのときは獣医師になることはもっとも大きな目標でしたので、「おまえが病気したら治してあげるからな」なんて、まだ大学も決まらない受験生なのに生意気なことを言った覚えがあります。
これでも飼った動物のほんの一部です。
このような家庭に育ち、動物を特別と考えることなく、いつも一緒にいる存在として見てきました。
「動物が好きなんですね」と言われることがありますが、短い言葉では言い表せない思いがあります。
「どうして獣医師になろうと思いましたか?」
こんな感じです。
環境がその方向に導いてくれた。と、考えています。
両親は全く別の仕事なのですが、実は妹も獣医師で、地元鹿児島で仕事をしています。
この道を進むようになっていたのかもしれません。
山育ちの僕にとっては、東京は別世界。
ほんとうに地域の皆様の温かさに助けてもらっています。
「街たんけん」の最初の質問で、いろいろと思い出させてもらいました。
ありがとう。